健康にまつわるみんなの疑問をAIで調べることが好きなハシビロコウです。こんにちは!名前はまだないです。
突然ですがハシビロコウの寿命はご存じですか?だいたい30~40年くらい生きますよ。日本にいた最長寿のハシビロコウは伊豆シャボテン公園にいた「ビル」さんで、推定50歳以上だったそうです。生きている間はオスだと思われていて、死後メスだと判明したそうです。鳥類の雌雄判別は難しいですね。
ニンゲンも40年くらい生きているとあちこちに不調が出てくると聞きました。今回は四十肩?五十肩?について調べてみました!

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本当の名称は・・・

試しに「四十肩」で論文検索してみたところ93件見つかりました。「五十肩」では748件の論文がありました。四十肩五十肩どちらも通称のようで、正式名称は「肩関節周囲炎」あるいは「凍結肩」だそうです。(原因が明らかなものを含めて「拘縮肩」という表現も!多彩!)これらを含めて検索すると3124件の論文が見つかりました。論文では身近な表現ではなく正式な名称で探す方が有効ですね。

用語によるヒット件数の違い

なお、四十肩五十肩は発症年齢によって使い分けられているケースが多いようですが、五十肩については江戸時代の文献にも記載されている表現だそうです。おそらく五十肩の方が先に使われていた表現で、四十肩はそこから派生したというようなことでしょうか。

正式名称と通称を併用して「四十肩 OR 五十肩 OR 肩関節周囲炎 OR 凍結肩」で検索してみたところ、論文が3000件程度見つかりました。症状の上位を見てみると「疼痛」「拘縮」など。動かすと痛そう、動かしづらそう、ということがここからも伝わってきます。2番目に表示されている「回旋腱板裂傷」もなんだかものものしい字面です。四十肩五十肩と混同される患者さんも多いそうですが、こちらは転倒や急激な負荷による外傷で、四十肩五十肩と同様の年齢層で発症が多いようです。

なにが原因?

原因不明だとか、皆に効果的な治療はないとか、年単位で苦しむ、なのに突然治るなどのうわさがありますが、論文ではどのように述べられているのでしょうか。

名称を確認する過程で、「特発性凍結肩」という表現が出てきました。四十肩五十肩に相当する名称で、「特発性」=原因不明なんだそうでのっけからお手上げ状態です。なお、痛みがでる直接的な原因としては「腱板疎部の癒着,肩峰下圧の上昇,関節周囲の血流低下など」があるそうです。(Medicina 2023.05.10 巻:60 号:6 ページ:954-959 主治医の介入でこれだけ変わる!内科疾患のリハビリテーション 疾患別リハビリ・運動療法の実際 第21回 肩痛)。なんて難しい文字面でしょう。難しいので、くっついて、ぱんぱんになって、巡りが悪いみたいな状態と解釈しました。

どうすればよい?

凍結肩には、可動域制限は軽度で痛みが強い炎症期(freezing phase)、痛みは軽減するが著しい可動域制限のある拘縮期(frozen phase)、次第に可動域が改善する回復期(thawing phase)という段階があり、この段階によって治療法が違うそうです。

まずはこの病期の判断が重要で、炎症期には消炎鎮痛剤の内服、ステロイドの関節内注射、理学療法があげられています。拘縮期には麻酔下で医師が肩をさまざまな方向に動かして関節包を伸ばすことで可動域を拡大するマニピュレーション、内視鏡下で関節包の固くなった箇所に切り込みを入れて可動域を増す鏡視下関節授動術などがあり、治療期間を短縮できるそうです。なんだかものものしいですが、重症だったら手術も選択肢に入るのかもしれないですね。まずは専門医に相談するとよさそうです。

あ、ハシビロコウは動かないことで有名ですが、関節が痛くて動かないわけではないですよ!エサのお魚に気づかれないようにじーっとしているだけです。求愛やご挨拶のときにはお辞儀もしますよ!

※本ブログでは論文調査で出てきた内容をご紹介するもので、医学的なアドバイスを提供・示唆するものではありません。個々の医療に関することは医師にご相談ください。

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