健康にまつわるみんなの疑問をAIで調べることが好きなハシビロコウです。こんにちは!名前はまだないです。
2024年2月は各地で観測史上最高気温が更新されたそうですね。ハシビロコウは寒いのが苦手なので、春が近づくのは嬉しいです。ニンゲンは季節の変わり目に体調を崩すことがあると聞きました。今回は季節の変わり目に起きやすい体調不良はどのようなものがあるのか調べてみましたよ。

季節の変わり目とは?

季節の変わり目はいつからいつまでというような明確な定義はないそうです。一般的には朝晩の気温の差が月平均で1カ月5度以上の変動があるときをいうそうです。季節の変わり目、寒暖差の大きい時期にどのような体調不良が報告されているのか、検索してみます。

思いついたまま「季節の変わり目 OR 寒暖差」で検索してみたところ、論文が255件見つかりました。風邪を引きやすいのかな、などと推測していましたが、論文数の多い疾患は「うつ病」「気分障害」などでした。

うつ病の発症時期には季節性があります1。季節性の気分障害として代表的なものである「冬季うつ病」では、患者さんは秋口からうつ状態に入り、春先に症状が自然軽快するそうで、日本海側などの日照量の少ない地域や高緯度の地域で発症率が高いことや、過食や過眠などの症状がみられることも多いことがわかっています23。「冬季うつ病」ではない一般的な「うつ病」にも症状の季節変動がみられ、いずれも脳内セロトニン機能の低下が関与している可能性があるそうです。

日照時間が密接に関係していることから、意識的に太陽を浴びることや人工的な光を浴びる光療法が有効とされています。人工的な光を浴びる場合、毎日早朝に2500ルクス(早朝の太陽や、日中の室内窓際の明るさ)だと2時間、10000ルクス(雨曇りの日中程度の明るさ)だと30分間浴びることになるそうで、所要時間を短くするためか高照度光療法に使われるライトは5000ルクス以上のものが多いようです。ちなみにオフィスの推奨は750ルクスだそうです。

セロトニン機能の低下を抑制するために、セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含むバナナや大豆食品の摂取もおすすめだそうですよ。

季節の変わり目に風邪は引きやすいの?

季節の変わり目や寒い季節に風邪を引きやすい印象がありますが、実際にはどうなのでしょうか。「気温 AND かぜ」で検索した結果を確認していきました。すると寝室の暖房がエアコンである子どもよりも、ガス又は灯油ヒーターや床暖房の子どもの方が学校または保育園の欠席率が低いなど、かぜに関連したイベントの発症率が低いというような研究がありました。温度そのものよりも暖房器具、湿度、気流および放射熱などの過熱方法の種類が関与している可能性が示唆されていました4

また風邪の代表的ウイルスであるライノウイルスは、冬季の低湿度・低気温下でより長く、より安定性の高い状態で生存することから「身体が冷えると風邪をひく」は間違いではないが、結論には大規模な検証が必要とのことでした5

冬は風邪ひきやすそうという印象、間違ってはいなさそうですが、立証するのもなかなか難しいのですね。

季節の変わり目に体調不良にならないために

季節性の不調にはいろいろあるので対策もそれによって異なるかと思いますが、共通するのはバランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動などのようです。また脱ぎ着しやすく気温に合わせて調整しやすい服装なども季節の変わり目にはおすすめです。またしても規則正しい生活が重要ということですね、わかってはいますがなかなか難しいものです。

ハシビロコウはアフリカ東部から中部の湿地帯出身のため、日本の動物園では冬は室内でぬくぬくしていることが多いですよ。


参考文献

  1. 1.気分障害―季節の変わり目に出現しやすいうつ病の診断と治療 うつ病の病態・診断・治療 季節とうつ病 カレントテラピー 2011.03.01 巻:29 号:3 ページ:192-196 ↩︎
  2. 2.冬季疾患の診療ポイント~患者さんへのアドバイスを含め~冬季のうつ病と睡眠障害 実験治療 2011.12.22 巻: 号:704 ページ:184-189 ↩︎
  3. 3.睡眠障害の今日 うつ病の非薬物療法の科学―時間療法という選択肢の根拠を探る― こころのりんしょうa・la・carte 2011.09.25 巻:30 号:3 ページ:368-372 ↩︎
  4. 4.Prospective cohort study of bedroom heating and risk of common cold in children  Pediatrics International Vol.64 No.1 Page.e14755 (2022) ↩︎
  5. 5.各科の都市伝説 呼吸器内科領域の勘違いプラクティス J-COSMO Vol.2 No.3 Page.420-421 (2020.06.10) ↩︎

※本ブログでは論文調査で出てきた内容をご紹介するもので、医学的なアドバイスを提供・示唆するものではありません。個々の医療に関することは医師にご相談ください。


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